静岡市の脳神経外科 脳卒中予防、脳ドック、MRI検査、CT検査なら脳神経外科専門医のいる水谷脳神経外科クリニックへ
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医院名
水谷脳神経外科
クリニック
診療科目
脳神経外科
リハビリテーション科
内科
医 師
水谷暢秀
(みずたにのぶひで)
専門医
脳神経外科専門医
脳卒中専門医
頭痛専門医
住 所
静岡市駿河区馬渕
4-11-9
電話
054-202-7778
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頭蓋骨骨折
頭蓋骨骨折は、骨折する部位により
頭蓋円蓋部骨折
と
頭蓋底骨折
の2つに分けられ、前者はさらに線状骨折、陥没骨折、粉砕骨折などに分けられます。
頭蓋円蓋部骨折
頭蓋骨線状骨折
頭蓋骨線状骨折とは
打撲部に一致して生じる頭蓋骨に線状のひびが入った状態です。成人では、最も一般的な骨折です。
頭蓋骨線状骨折の原因
骨折部位への直接の衝撃により、硬い頭蓋骨が割れて線状の骨折になります。
頭蓋骨線状骨折の症状
骨折部位に、打撲による疼痛、腫脹がみられます。
頭蓋骨線状骨折の検査と診断
頭蓋骨単純X線で骨折線は黒い糸状、あるいはすじ状に認められます。X線で頭蓋骨骨折と診断された場合は、頭蓋内損傷の有無を検査する必要があるので、頭部CTを行います。
頭蓋骨線状骨折の治療
頭蓋内損傷を伴う場合は、それに対する治療が行われます。頭蓋内損傷を伴わなければ、骨折に対する特別の治療は必要なく、通常は自然に治ります。数カ月間は再度の頭部打撲がないように注意しますが、そのほかの日常生活にとくに制限はありません。
ただし、一般的には受傷当日は経過観察のために入院が必要です。これは、受傷直後の頭部CTで異常がなくても、まれに頭蓋内出血が遅れて現れることがあるからです。
最近の統計によると、意識障害が遅れて現れた場合でも、その83%は6時間以内とされているので、とくに問題がなければ1泊2日の入院が一般的です。
頭蓋骨陥没骨折
頭蓋骨陥没骨折とは
ちょうどピンポン球を押した時にへこんでしまったような、頭蓋骨が内側に陥没した骨折です。頭蓋骨線状骨折と同じく、骨折に伴う頭蓋内(頭蓋骨よりも内側)の損傷の有無が問題になります。
さらに、頭蓋骨陥没骨折では頭蓋骨の内側にはすぐに髄膜に包まれた脳があるので、陥没の程度に応じて脳が圧迫・損傷を受けます。
頭蓋骨陥没骨折の原因
頭蓋骨線状骨折と同じく、骨折部位への直接の衝撃が原因です。頭蓋骨が軟らかい乳幼児のほうが起こりやすいとされています。成人でも、野球の硬球が直撃したような外力の加わり方(小範囲に限られた鈍的外力)でみられます。
頭蓋骨陥没骨折の症状
骨折部位に、打撲による疼痛、腫脹のほか、陥没骨折により圧迫・損傷を受けた脳の部位に応じた症状が現れることがあります。現れやすい症状は、半身の麻痺(片麻痺)、半身の感覚障害、言語障害、けいれん発作などです。
そのほか、陥没による圧迫のため、頭蓋骨の内側の圧が高まり(頭蓋内圧亢進)、激しい頭痛、嘔吐、意識障害などが認められることもあります。
頭蓋骨陥没骨折の検査と診断
頭蓋骨単純X線で診断できますが、頭蓋骨の陥没の状態と頭蓋内損傷の有無を診断するために、頭部CTが行われます。
頭蓋骨陥没骨折の治療
内側に陥没した頭蓋骨が、脳に圧迫・損傷を与えて障害を及ぼしている場合には、陥没骨折整復術が行われます。手術の必要性は一般に陥没の程度に比例し、日本のガイドラインでは以下を手術適応の目安にしています。
1cm以上の陥没
前額部など美容上問題になる場合
硬膜の静脈(静脈洞)を圧迫する場合
予後は合併する頭蓋内損傷の程度によって決まります。
頭蓋骨粉砕骨折
粉砕骨折とは骨折片がいくつにも分かれたものをいいます。粉砕骨折が開放性であれば複雑骨折に属し、陥没していれば陥没骨折に属し、非開放性で陥没もない場合には線状骨折の一種です。
頭蓋底骨折
頭蓋底骨折
頭蓋底骨折とは
頭蓋骨の底面である頭蓋底は、でこぼこして多くの孔が開いている複雑な構造をしています。そのため頭蓋底骨折は、頭蓋冠(椀を伏せた形のドーム型の部分)の線状骨折や陥没骨折とは病態も治療方針も異なります。頭蓋底骨折の問題点として、主に髄液漏と脳神経麻痺の2つがあります。
髄液漏とは、頭蓋底骨折をとおしてなかの脳脊髄液がもれ出てくる状態です。出てくるのは耳の穴(髄液耳漏)か鼻の穴(髄液鼻漏)で、髄液漏では頭蓋内(頭蓋骨よりも内側)に細菌が入って髄膜炎を起こす危険があります。また、髄液が流れ出る代わりに空気が頭蓋内に入る気脳症を起こすこともあります。
頭蓋底の孔の多くには、脳から出て顔面や内臓に至る脳神経がとおっています。この孔に骨折が及ぶと、なかをとおっている脳神経を傷つけて脳神経麻痺を来すことがあります。
頭蓋底骨折の原因
頭蓋冠の骨折と同じく、骨折部位への直接の衝撃が原因です。
頭蓋冠の骨折が頭蓋底にまで及ぶ場合と、眉部の打撲による前頭蓋底骨折、耳介後部)の打撲による側頭骨骨折などがあります。
頭蓋底骨折の症状
目の周囲の皮下血腫(パンダの目のようになる)や耳の後ろに皮下血腫がある場合は、頭蓋底骨折を疑う必要があります。
当初は髄液漏として認められる場合がほとんどです。脳脊髄液は無色透明ですが、髄液漏では出血を伴っていることが多く、少量でもさらさらした出血は危険な徴候です。顔面打撲に伴う鼻出血との区別は時として困難ですが、どろどろした出血が徐々に止まってくれば、髄液漏の疑いは低いといえます。
脳神経麻痺は遅れて現れることもあり、頭蓋底骨折と診断された場合には受傷後1週間は要注意です。
前頭蓋底骨折では嗅覚障害、側頭骨骨折では受傷側半分の顔面の運動麻痺や聴覚障害が現れます。前頭蓋底骨折のひとつである視神経管骨折では、視力障害を来します。
頭蓋底骨折の検査と診断
X線写真や頭部CTでは骨折の診断が難しいことが多く、髄液漏があれば頭蓋底骨折と診断されます。CTにおける気脳症の所見は、髄液漏の存在を示します。髄液漏では耳あるいは鼻の穴から無色透明な液体、あるいはさらさらした血液が流れ出ます。髄液鼻漏では鼻汁との区別が必要になることがあり、簡便には試験紙で髄液の成分(糖)を検出します。
側頭骨骨折は、局所の精密なCT(側頭骨ターゲットCT)で診断されます。視神経管骨折は、特殊な単純X線(視神経管撮影)や、局所の精密なCT(眼窩CT)、あるいはMRIにより診断されます。
頭蓋底骨折の治療
頭蓋底骨折に伴う髄液漏あるいは脳神経麻痺に対する治療が行われます。
髄液漏に対しては、1週間程度の絶対安静により頭蓋底からの髄液の流出を抑え、癒着による漏孔の自然閉鎖を期待します。外傷性髄液漏の50~80%は1~3週間以内に自然に止まるとされています。また、通常は髄膜炎に対する抗生物質の点滴注射が行われます。この際、腰から脳脊髄液を抜く処置を併用する場合もあります。
日本のガイドラインでは、2~3週間の絶対安静を行っても髄液漏が止まらない時や、いったんは止まった髄液漏が再発した場合、髄液漏が遅れて起こった場合を手術適応の基準としており、開頭硬膜形成術(断裂した硬膜の縫合閉鎖)が行われます。
脳神経麻痺に対しては、傷ついた脳神経の障害を抑えるため、通常はステロイド薬などによる薬物療法が行われます。
視神経管骨折や側頭骨骨折に対しては、骨折による脳神経の圧迫・損傷を取り除くため、手術が行われる場合があります。
脳神経麻痺の予後は、損傷を受けた脳神経の種類により異なります
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