発症時の最も特徴的な症状は、いままで経験のしたことのない頭痛です。この頭痛は、「バットで殴られたような」、「頭が割れるような」、「雷が落ちたような」などと表現される激しい頭痛が典型的です。
同時に吐き気、嘔吐、頸の後ろ(うなじ)が凝る、などのいわゆる髄膜刺激症状が起きます。
出血の量が多い時には、意識障害が出現します。とくに重症の場合には病院にたどり着く前に助からなくなってしまう方もいます。
破裂する脳動脈瘤の場所によっては、脳のなかに血腫をつくり、片麻痺(片側の上下肢の麻痺)が起こることもあります。クモ膜下出血は、はじめはたとえ軽くてもすぐに再出血を起こしやすく、再出血を起こすとさらに重体になります。
クモ膜下出血の発症後2週間以内には、脳の動脈が細くなる脳血管れん縮という状況が起きます。この程度が強いと脳の血流が減り、片麻痺などの神経症状を起こします。再破裂と脳血管れん縮は、クモ膜下出血の予後を左右する重要な因子です。
|