高血圧が原因で起こる脳出血が最も多く、全体の70%を占めます。血管の病変をみてみると、脳内の300~700μmの細い小動脈に血管壊死という動脈硬化を基盤とした病変ができ、これに伴ってできる小動脈瘤(小さな血管のこぶ)の破裂が脳出血の原因になります。そのほか、脳動脈瘤、脳動静脈奇形の破綻、腫瘍内出血、脳の外傷、もやもや病、などが原因になります。高齢者では血管の壁に老人性変化のひとつであるアミロイドが沈着して脳出血の原因になることがあります(アミロイドアンギオパチー)。
高血圧性脳出血を部門別にみてみると、最も頻度が高いのは被殻出血(35%)と視床出血(30%)で、この2つが約3分の2を占めます。次いで皮質下出血(10%)、橋(中脳と延髄との間にある)出血、小脳出血、その他と続きます。
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