てんかんは神経疾患のなかで、最も頻度の高い疾患のひとつで、人口1000人に5~8人の患者様がみられます。
脳のはたらきは、脳神経細胞から適切・適量の電気信号が秩序正しく流れることにより行われます。この電気信号がちょうど雷が落ちるように、ある時突然に過剰となり秩序なく流されると、脳本来のはたらきが障害されたり、機能が過剰に発揮されて起こるのがてんかん発作です。
この発作が同じパターンで慢性的に何度も反復再発する病気がてんかんです。一般に発作のない時はまったく正常なのがてんかんの特徴です。
脳細胞は、あるグループごとに重要なはたらき、たとえば意識、行動、感情、運動機能、感覚機能を司っていて、過剰な電流が流れるとこれらの機能が乱されます。手と足をつっぱる発作は過剰な運動機能を表し、意識障害は意識機能の障害、精神症状や異常行動は感情、行動の障害を意味します。
てんかんは、その原因が脳の一部に限られている部分てんかんと、脳深部の異常により最初から脳全体の機能が障害される全般てんかんの2つに大きく分けられます。
さらにそれぞれのてんかんは、その原因のあるなしで、原因のある症候性てんかんと原因が特定できない特発性てんかんに分けられます。
つまり部分てんかん、全般てんかんは、それぞれ症候性のものと特発性のものとに区別診断され、それに基づいて治療・管理が行われます。
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